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「思わねぇな。あんな雑魚共相手に。」 「多勢に無勢。万が一と言う事も有りましょう。」 「…有ったとしても人質になる止まりだろうよ。 どんなに女に飢えてようと、この鎧の下の肌を見りゃ…」 「政宗様ッ!」 荒げられた声に、政宗は続けようとしていた言葉を飲み込む。 そしてこちらを見る小十郎の眼がひどく真摯だった為、そのまま黙った。 「…その様な事、二度と申されますな。」 「……」 「帰りましょう。皆、心配しております。」 そう言って歩き出す小十郎の背中をしばらく見た後、政宗はその後ろに大人しく従った。 天下の独眼竜も、この家臣の前ではいつまで経ってもただの小娘だと、少々情けなく思った。 小十郎の馬は森の入口に繋がれていた 。そこに向かうまでの道のり、小十郎も政宗も無言のまま歩く。 少し前を歩く小十郎の顔を窺うと、相変わらずその表情は人を殺せそうに険しい。 それに小十郎は本気で怒ると黙り込む癖が有るので、これはまだかなり怒っているなと 政宗は内心ため息をついた。深く考えるまでもなく、 今日一日の自分の行動を思い返してみれば、小十郎の逆鱗に触れて当たり前だ。 政宗は潔く覚悟を決める事にした。 「…なぁ、小十郎。」 無言でこちらを見る小十郎に、一瞬言葉を詰まらせながらも、 政宗は続けた。 「言い訳はしねぇ。…その…今日は色々、俺が悪かった。 ぶつなり何なり気の済むようにしてくれていい。…だから」 「……」 「だから、何か言ってくれよ…」 小十郎が、歩みを止めてこちらに振り向いた。気をつけていたのに 語尾が僅かに震えていた自分を不甲斐なく思いながら、政宗は来るなら来いと身を堅くした。 小十郎は昔から自分の主君だろうと幼い女子だろうと一向に構わず 非があればビシビシひっぱたいて来る、いささか過激な守役だったのだが 政宗が急逝した父の跡目を継いだ後は、流石にそれも影を潜めていた。 だが今日当たりは拳で殴られても文句は言えないし、 何より今のように黙り込まれるよりはマシだと、政宗は近付いて来る小十郎を見上げた。 「政宗様。」 「あぁ。」 「では…御免。」 「いいぜ。…やれ。」 おなごBASARA 最終4
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父親が分からない子を跡継ぎには出来る訳ないだろうし、 お館様の子だと分かれば、間違いなく後継者争いが起きるね。 …そんないらん苦労、旦那には似合わないと思うなぁ。 そう俺様が言うと、旦那は叱られた犬みたいにしょんぼりとうなだれた。 その様子があんまりに可哀相だったけど、下手に励まして けしかけるような事も出来ないし…参っちゃうな、もう。 ふと、うつむく旦那の顔色がやけに悪い事に気が付いた。 いつもつやつやと顔色がいいから、尚更目立つ。 「旦那、もしかしてお腹痛いの?」 「……うむ。いたい。」 腹を手で押さえて言葉少なにうなづく旦那を 、取り敢えず俺はその辺の倒木に座らせて、上着を脱いで渡した。 月のものだってのにいつもと同じに胸から腹から丸出しなんだから、 そりゃ具合悪くもなるよね。 「佐助…かたじけない。」 「ほら、ちゃんと上着腹に掛けて。 あっためればマシになるって言うし。」 「…うむ」 旦那は大人しく倒木に腰掛け、 俺の上着の上から腹を押さえて蹲るようにじっとした。 こんな調子の旦那を見るの、実は初めてかもしれないな。 なんせ旦那はいつも元気溌剌としてて、 この浮き世の憂さなんかとは全く無縁そうな人だもんね。 …しかし、いつも元気な子が時折見せる弱々しい姿って、 なんか結構クルもんだねぇ…。 なんて不埒な事を考えながら、俺は 旦那の赤い上着から覗くきれいに日焼けした肌とか、 実際の歳よりもかなり幼く見える横顔なんかをちらちら盗み見た。 「佐助」 「は、はい?」 思考がいかがわしい方向に向き始めた時、 旦那が伏せていた顔を急にあげてこっちを見るもんだから、 さすがに慌てた。 …そんな子犬のような目で見られると、いたたまれないったらないよ…。 「温めたら楽になってきたでござる…!」 「そぉ?よかったね。いい機会だから、 もっと着物の布地を増やしてもいいんじゃない?」 「そうであろうか。この格好は動き易くてよいのだが…。」 いやまぁ、旦那に厚着しろなんて勧めてる事が武田軍の連中にバレたら、 俺様ボコボコにされちゃうけどね。 …でも、気になる娘の肌を野郎達が鼻の下伸ばしながら 見てるなんて、正直面白くない訳さ。 いかな無私が身上である忍の俺様だってね。 おなごBASARA 前編3
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登録日:2011/09/20(火) 21 22 13 更新日:2022/09/04 Sun 11 09 59NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 おもしろ武器 お楽しみ武器 なぁにこれぇ? まるで意味がわからんぞ! やたら高火力 わけがわからないよ ネタ 何なのだ、これは!どうすればいいのだ?! 公式が病気 恒例 戦国BASARA 武器 お楽しみ武器とは、BASARAシリーズ恒例の武器である。 【概要】 1から存在し、各キャラクターに一つ存在する。 どういう武器かと言うと、『どうみても何かがおかしい武器』である。 例えば、真田幸村は普段槍を使っているが、彼の武器の中に何故かマッチがある。 他にもナイフとフォーク・ハリセン・バナナ・ビームサーベル・地球儀・挙げ句の果てには魚(しかも生きてる)まで使う武将も存在する。武器の説明欄もはっちゃけていたが、4以降では残念ながら「○○の第五武器」に統一されてしまった。 これらの武器は何故か非常に高い攻撃力を誇り(3に至っては単純な攻撃力だけなら最強武器である)、英雄外伝まではクリティカルヒットが出やすい、3と宴ではバサラ富くじのドロップ率が上がる追加効果もある。 とはいえ、ほとんどのお楽しみ武器には属性が無い為、3では多少攻撃力が低くても属性がある武器を使った方が良かったりする。バサラ屋で購入可能なため、高難易度でしか入手できない強い属性付き武器への繋ぎに使うには良いかも。 基本はキャラクターが使う武器に形が似ている物が武器になるが、BASARAは大体のキャラが刀や槍を使う為、細長い物が選ばれる事が多い。 【お楽しみ武器と元の武器】 〔戦国BASARA・戦国BASARA2・英雄外伝〕 ※1は2で変更された武将のみ記載する。 伊達政宗 刀 → デビルメイクライ(以下DMC)のアラストル(*1) 真田幸村 槍 → DMCのスパーダ(*2) 前田慶次 超刀 → おみくじ(*3) 豊臣秀吉 籠手 → ブリキの籠手 織田信長 剣 → ハリセン(*4) 長曾我部元親 碇槍 → 釣竿 かすが 手裏剣 → タンバリン(1) クナイ → ルアー 森蘭丸 弓 → バナナ(1) 弓 → チョコバナナ 猿飛佐助 手裏剣 → レコード(1) 手裏剣 → 一作目のディスク(*5) まつ 刀 → まつのお手製鍋料理(1) 薙刀 → ほうき 竹中半兵衛 関節剣 → 万国旗(*6) 明智光秀 鎌 → フォーク&ナイフ(1) 鎌 → スタンドマイク&エレキギター(*7) 毛利元就 輪刀 → 虹色の円盤(*8) 上杉謙信 刀 → 花束(薔薇)(1) 刀 → 花束(百合) 島津義弘 大剣 → 竹刀(1) 大剣 → 一升瓶 武田信玄 斧 → うちわ 前田利家 槍 → カジキマグロ(*9) 本多忠勝 ドリル → トンボ(1) ドリル → 地球儀 濃姫 二挺拳銃 → DMCのエボニー×2(1) 二挺拳銃 → DMCのエボニーとアイボリー(*10) ザビー バズーカ → メガホン いつき ハンマー → 魔法ステッキ(*11) 宮本武蔵 刀&櫂 → 鉄釘バット&鉄パイプ 片倉小十郎 刀 → ネギ&ゴボウ(*12) 浅井長政 刀 → 番傘 お市 双薙刀 → 藁人形&五寸釘 今川義元 扇 → 花札5枚(*13) 徳川家康 槍 → エビフライ 本願寺顕如 錫杖 → ダンベル 北条氏政 槍 → 提灯 風魔小太郎 忍刀 → マチ針 〔戦国BASARA3〕 徳川家康 篭手 → ドリルパンチ(*14) 石田三成 居合刀 → 手品ステッキ 伊達政宗 刀 → ビームサーベル(*15)+バイクエンジン 真田幸村 槍 → マッチ 黒田官兵衛 鉄球 → けん玉 雑賀孫市 マグナム銃 → 輪ゴム鉄砲(*16) 鶴姫 弓 → 折り鶴 前田慶次 超刀 → 傘 大谷吉継 神輿 → こたつ 風魔小太郎 対刀 → 風車 長曽我部元親 碇槍 → 釣竿 毛利元就 輪刀 → 花輪 島津義弘 大剣 → おでん お市 魔の手 → 長政追加 織田信長 剣 → 卒塔婆 本多忠勝 ドリル → 大木 〔戦国BASARA3宴〕 松永久秀 宝刀 → 蝋燭 片倉小十郎 刀 → 笛(*17) 猿飛佐助 手裏剣 → ペロペロキャンディ(*18) 天海 錫杖鎌 → 羽子板 小早川秀秋 鍋 → 天道虫 最上義光 細刀 → 鮭 立花宗茂 雷切 → 磁石 大友宗麟 国崩し(大砲) → 雲 謙信、かすが、利家、まつ、北条、信玄は全て初期装備の流用(分かる人には分かる違いがあるそうだが……) 〔戦国BASARA4〕 伊達政宗 刀 → 木製バット 石田三成 刀 → テニスラケット 島左近 双刀 → エレキギター&ベース 柴田勝家 逆刃薙 → 羽根つきGペン 真田幸村 ニ槍 → 耳かき 徳川家康 手甲 → ボクシンググローブ 井伊直虎 巨剣 → 祝い箸 山中鹿之介 連結棍棒 → タコさん・カニさんウインナー 後藤又兵衛 奇刃 → コンパス 前田慶次 超刀 → 筆&筆巻き 片倉小十郎 刀 → ネギと牛蒡 織田信長 剣&ショットガン → メガホン&水鉄砲 松永久秀 宝刀 → チャッカマン 豊臣秀吉 篭手 → 鍋つかみ 竹中半兵衛 関節剣 → 新幹線 浅井長政 刀&盾 → 赤色誘導灯&道路標識 お市 魔の手 → 骨 長宗我部元親 碇槍 → イトマキエイ 毛利元就 輪刀 → ドーナツ 猿飛佐助 手裏剣 → ラーメン&なると 大谷吉継 神輿 → 幽霊船 最上義光 細刀 → ラバーカップ 本多忠勝 機巧槍 → サインポール 雑賀孫市 マグナム銃 → ラッパ 鶴姫 弓 → 鳥の巣&ひな鳥 小早川秀秋 鍋 → クイズの早押しボタン 天海 錫杖鎌 → メス&注射器 黒田官兵衛 鉄球 → おみくじ箱 大友宗麟 国崩し → ザビー顔の天使 立花宗茂 雷切 → 松葉杖(*19) 島津義弘 大剣 → ハエたたき 風魔小太郎 対刀 → わたあめ 〔戦国BASARA4皇〕 前田利家 槍 → カジキマグロ(*20) まつ 薙刀 → 熊手 武田信玄 斧 → ポイ(*21) 上杉謙信 刀 → 白鳥 かすが クナイ → ヨーヨー 足利義輝 笏 → アーミーナイフ 京極マリア 布 → 蛇 千利休 扇子 → お好み焼き 〔戦国BASARA真田幸村伝〕 真田幸村 槍 → たこ焼き 伊達政宗 刀 → 牛串 真田昌幸 短槍 → 鮎の塩焼き 真田信之 はしご槍 → 鰻の蒲焼き 梵天丸 木刀 → ずんだ餅 弁丸 槍 → ウサギのリンゴ さぁ! 次回作にも期待しよう! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 4もカオスだったが説明がないね 寂しい -- 名無しさん (2014-01-29 01 37 00) 4はどんな武器でも属性付けられるから一部さらにヤバい。緑色に怪しく光るラーメンって何なんだよ…… -- 名無しさん (2014-03-06 15 22 04) 4のネタ武器も追加完了。間違ってたら修正をお願いします。 -- 名無しさん (2014-03-06 17 00 00) 時を追うごとにおかしくなっていくwww -- 名無しさん (2014-05-20 01 31 58) 柴田勝家の羽ペンみると新妻エイジを思い出す・・・ -- 名無しさん (2014-05-20 01 40 48) 4の耳かきって相手の耳を掃除して戦意喪失? -- 名無しさん (2014-08-16 12 59 48) 最早BASARAじゃない・・戦国BAKARAだな・・・w -- 名無しさん (2014-08-16 14 46 29) 4皇、足利義輝のお楽しみ武器は十徳ナイフでした -- 名無しさん (2015-07-27 23 26 51) マリア様はヘビ、利休はお好み焼きだった -- 名無しさん (2015-08-12 20 04 52) ペルソナシリーズのおもしろデザイン系武器といい勝負かも。 -- 名無しさん (2021-08-07 23 40 31) 名前 コメント
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原料名稱: [紫]織田信長卡片 取得途徑:任務-天下布武有機會取得 備註:取得300張 [紫]織田信長卡片 並使用 [織田信長]紫色人物卷軸 ,可得到 織田信長紫色人物卡
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基本情報 紹介 攻撃方法 武将解説・考察 武器データ基本性能 由来・故事来歴 技能考察 衣装 コメント欄 基本情報 名前 織田信長(おだのぶなが) 二つ名 第六天魔王 使用条件 反逆の章「長篠の戦い」をクリアする アクションタイプ 特殊技タイプ 推奨パートナー対象 明智光秀・お市・濃姫・森蘭丸・徳川家康・浅井長政・前田利家・柴田勝家・松永久秀 声優 小杉十郎太 無双奥義文字 天 秘奥義・皆伝文字 覇 公式動画 紹介 天下布武を掲げ、日本に覇を唱えんとする戦国の魔王。他を凌駕する圧倒的な才と、苛烈でありながら人を惹きつける魅力を持つ。桶狭間にて今川義元を討ち取り、尾張の小大名から一躍天下争いに躍り出たのちは、怒涛の進撃で乱世を駆け上っていく。 攻撃方法 武器 妖刀 通常攻撃 範囲、速度共に優秀。 N1~3 斜め・横・斜めと斬る。 N4~7 切り上げ四連。武器強化すると何故か三回しか出ない。 N8 一回転して薙ぎ払う。 チャージ攻撃 どれも使い所があり優秀。特殊技1-3を出すとC5以外にチャージの三段階目が追加される。 C2 切り上げ。 C2-2 飛び上がって追撃。武器強化をしていない場合そのまま切り飛ばす。 C2-3 高速で五連斬りした後切り落とす。 C3 回転剣舞。気絶効果 C3-2 地面を叩きつけてオーラを噴出する。多段ヒットするようになった。 C3-3 おなじみサイコクラッシャー。連打で突進距離が変わる。こちらも多段ヒットするようになったので当たりやすくなった。威力が高く、多くの敵を巻き込めるので強力。 C4 溜めて全方位に衝撃波。追加入力で威力が変わる。 C4-2 溜める。溜めている最中に当たり判定あり。気絶効果あり。 C4-3 さらに溜める。溜めている最中の当たり判定も威力が高い。 C5 突進して突きの一撃。吸収による武器強化は無くなった。 C5-2 斬り払って三方向に衝撃波を射出する。 神速攻撃 攻撃が速く、敵をしっかりと巻き込めるので優秀。 S1~3 高速で斬りつつ突進。 S4~5 同上。 S6 斬り払う。 神速強攻撃 SS3と5の剣舞が主力となる。 SS2 切り上げ。 SS3 浮いて剣舞で攻撃する。範囲が広く集団戦の主力。 SS4 SS2と同じ。 SS5 SS3と同じ。 SS6 飛び上がって空中から暗黒の妖気弾を放つ。時々エフェクトが出ないことがある。 ジャンプ攻撃 横斬り。 ジャンプチャージ 地面に妖刀を突き刺す。 騎乗攻撃 範囲は普通だがC4が強力。 騎乗1~3 高速で右を斬り払う。 騎乗4~7 さらに速く右を斬り払う。 騎乗8 同上。 騎乗C2 切り上げ。打ち上げ技。 騎乗C3 切り下げ。気絶効果があるが範囲が狭い。 騎乗C4 溜めて全方位に衝撃波。C4の騎乗版。 無双奥義 無双奥義 浮き上がって剣を左右に振りながら突撃。〆に周囲にオーラの雨を降らす。攻撃がしっかりと当たるようになったので使い勝手が向上した。 無双秘奥義 攻撃回数が増加する。紅蓮属性も付加。 無双奥義・皆伝 妖気を込めた妖刀を地面を突き刺し、全方位にオーラを噴出する。広範囲に多段ヒットする優秀さは健在。 特殊技1-1 攻撃強化。熟練度レベル×1秒+元の強化時間(10秒)となっている。浮いたら即解除。 特殊技1-2 攻撃力を一時強化する。左スティックを入れっぱなしにすると発動しないので注意。20秒+熟練度。 特殊技1-3 攻撃強化+一定時間各チャージに3段目が追加。30秒+熟練度。 特殊技2-1 妖気のバリアを展開。壊れるとひるむ。 特殊技2-2 さらに強いバリアを展開する。 影技 浮きながら突撃する。 殺陣 四連斬り。 無双極意 固有属性は修羅。 武将解説・考察 戦国の三傑の一。戦国の世を平定すべく乱世に名を挙げた戦国最大の英雄。 元は尾張の小大名であったが、美濃の戦国大名・斎藤道三の娘の濃姫を正室に迎え、その名を高める。 濃尾二国平定後、足利将軍家の義昭を擁して上洛し、天下布武を実現へと進めていく。 その苛烈な姿勢は周囲の敵対を招き、一時は信長包囲網を形成された。 だが、武田信玄の急死より包囲網は瓦解し、石山本願寺との和議もなる。 天下統一を目指す中、一瞬の隙を衝かれて功臣・明智光秀の造反の前に本能寺の炎と消えた。 初代以来のレギュラーで、お馴染み戦国の魔王。 本作でもダークヒーロー的な役割を担うが、自身が主役である織田の章のみであり、 その出番も四回と他の武将と比べて少なめ。 自身が乱世の運命を先導し、それを乗り越えていく「造反者」の存在を心待ちにしている。 本能寺でも敵側のみでその後の哲学的な長ゼリフもなく、 周りの人物からも批判や酷評をされまくる等、今作の内部での扱いは不遇気味と言わざるを得ない。 また、そのダークぶりは歴代屈指であり、見ていて辛い面も。 一方、流浪演武では史実のエピソードを多く採用し、自ら女装し祭りを楽しむ姿も。 戦国の世という「祭典」を生きる姿がそこにある。 性能解説 特殊技タイプの武将であるが、全武将の中で唯一、特殊技によるアクションの限定解放という仕様を持つ。 それぞれ、空中乱舞のC2-3、突破力のC3-3、掃討用のC4-3といずれも高性能であり、 故に、いかにこの技を発動させ、維持するかを重点的に考える必要がある。 C5は強化されないが、ガード不能・範囲ありとこれも優秀な部類。 ただし、武器強化の側面はないため、この意味でも特殊技の扱いは重要となる。 なお、熟練度によって強化時間の秒数が延びるようになったので、武器強化の持続力が上がった。 その意味では、仕様の恩恵を受けている部類である。 追加技の神速攻撃は、消えたC1を補える殲滅力がある。 特殊技の熟練度稼ぎにも向くのがポイント。 さらに強化された面は、新要素の無双極意。 固有属性が修羅なので、凄まじい殲滅力を誇る。 特殊技・極意の仕様の面から、総合的にはかなり強くなったといえるだろう。 レア武器の性能も前作を引き継いで高く、シナリオ上の不利を覆してくれる。 武器データ 基本性能 武器名 基本攻撃力 備考 妙法千五村正 38 蛇之麁正 126(46) 猛攻4 風撃4 神撃5 迅閃5 滅流4 修羅4 覚醒5 克己5属性に修羅が付いており、無双奥義関連の技能や迅閃、風撃も持ち合わせているので万能で強力な武器。滅流が蛇足になっているのが欠点だがそれを含めても技能が充実しているといえる。前作で「魔王の剣」と評された力はなお健在である。 第六天玻璃 146(46) 猛攻5 迅閃5 真髄4 背水5 凍牙5 修羅4 快進5 克己5ほぼ性能は同じだが、真髄による極意の強化と凍牙による攻撃力上昇が見込める。C2以外の戦い方を考える必要があるが。 由来・故事来歴 妙法千五村正 1からの信長の武器の名前。妙法千五村正は実在する刀で、徳川を祟る刀と怖れられたいわゆる「妖刀村正」の事。 ちなみに、「妙法」は「妙法蓮華経」の略であり、実物の妙法千五村正には「妙法蓮華経」の五文字が刻まれている。 蛇之麁正 日本神話に登場する刀剣・蛇之麁正(オロチノアラマサ)から。 素戔鳴尊(スサノオノミコト)が八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治する時に使った十束剣(トツカノツルギ)、 天羽々斬(アメノハバキリ)の別称と伝わる。 第六天玻璃 「第六天」は仏教における天界の一つ。 仏教では天部(神)のうち、いまだ欲望に捉われる6つの天界があるとされ、それを総称して六欲天(ロクヨクテン)あるいは欲界と呼ぶ。 第六天はそのうち、下から六番目(最も上)にある天であり、別名を他化自在天(タケジザイテン)と言い、欲界の最高位とされている。 ちなみに、そこには仏教修行を妨げる悪魔・第六天魔王波旬(ハジュン)が住んでいるとされ、 この事になぞらえて信長が自らを「第六天魔王」と称したのはあまりにも有名。 「玻璃」は水晶または無色のガラスの事で、仏教における七宝(シチホウ=七つの貴重な宝)の一つに数えられる事がある。 技能考察 技能名 相性 備考 猛攻 ○ 主力のチャージ攻撃強化の為に攻撃力の底上げも良かろう。レア武器を超える名剣を求めるならば、最低これと真髄は必須であろう。 勇猛 ◎ 敵将を滅する為には必須…抗うか! 風撃 △ 効果は微量ゆえ付けずとも良かろう。特殊技が発動すればリーチは伸びるしな。 波撃 ○ C4,SS6の威力が上がる、ぞ。 神撃 ○ 突撃型の奥義から一部性能が変わり、使い勝手が上がった、ぞ。本命は皆伝であろうが、な。 破天 ○ C2の威力が上がる、ぞ。付いてきたならば使ってみるがよい。 迅閃 ○ 予の神速攻撃は悪くない。特殊技が間に合わぬ乱戦も多かろう。 明鏡 ◎ 特殊技発動の時間すら稼げる、こちらの方が予には有効であろう。 真髄 ◎ 地獄に向かう際は必須ぞ。修羅皆伝を使うなら尚更であろう。フハハ…夢幻と散れ! 怒髪 ○ 必須ではないが、無双主体なら無価値に非ず。特に高難易度で価値を示すことになろうぞ。 堅守 △ 防御強化に、有っても無価値に非ず。だが必須ではなかろう。 不動 △ 特殊技のバリアを有効活用すればよい。無論、良き保険とは呼べよう、ぞ。 減流 × ぬるいわ… 波断 × いらぬ、これが返答よ… 堅忍 ○ 高難度では必須、ぞ。 不抜 △ 強力だが使いどころが難しいと評判ぞ。バリアを駆使すれば死中に活を見いだせるかも知れぬな… 背水 △ 闘志 △ 特殊技のバリアとの相性が悪いのう。 闘魂 △ 再臨 ○ 魔王は死しても甦る、か。だが失策は失策ぞ。 俊敏 △ 敏捷性強化に、有っても無価値に非ず。だが必須ではなかろう。 破竹 ◎ ぬるき者共を根絶やしにしつつ己は回復とは、松永めのように狡猾よ。 快進 ○ 無双回復は、これがあれば事足りよう、ぞ。 覚醒 ○ 修羅属性の極意が使えなくなるのは不利だが、価値はあろう。 騎戦 × 馬上戦も悪くはないが地上で戦った方が強い故、あえて欲するだに値はせぬ… 練騎 × この技能を撫で斬りにせよ!!! 薬活 △ 友軍を助けるのも無価値ではあるまい。 騎神 ○ 移動しつつ回復するというのも悪くはない、ぞ。 霊験 ○ 己の家宝と相談せよ。克己と一揃えでこそ真価が発揮されようが…な。 克己 ◎ 己を超えてこそ真の魔王。さあ、背ききってみせよ! 属性技能については、属性の頁を参照。 回収用技能四種は全員同一の効果なので割愛。 衣装 名称 入手方法 備考・特徴 通常衣装 初期搭載 戦国無双4 戦国無双衣装 DLC 『戦国無双』通常衣装 コメント欄 この掲示板はツリー方式です。レスをする時は、レスをしたい記事の先頭をクリックして選択してから書き込んで下さい。 それをしないとツリー表示されず、新規投稿になってしまいます。他の人が不快になる様な投稿は控えましょう。質問は質問掲示板で行いましょう。 名前 全てのコメントを見る
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「あんたが奥州筆頭・伊達政宗か」 野盗の頭目らしい男が、そう政宗に問い掛ける。 「あぁそうだぜ?だったら?」 胸の前で腕を組み、不敵に答える政宗に 頭目はやはり好奇の眼を向ける。 …しかし男ってのは、みんな同じ反応をするな。 その様子を冷ややかに見詰めながら、政宗は内心つまらなさそうに呟いた。 「独眼竜が小娘だってのはヨタ話じゃなかったとはなァ… こりゃ俺にも運が向いて来たぜ。」 「HA!俺を生け捕りにして身代金でもせしめようってか?」 「さすが察しがいいな?伊達の姫様。」 「てめぇらみたいな手合は山程相手にして来たんでな。」 降って湧いた幸運に、眼をギラつかせながら迫る野盗共に 四方を取り囲まれながらも、政宗は至って平静だった。 さして興味も無さそうに周囲に一瞥をくれると、それきり見向きもしない。 そんな政宗にどこか好色な視線を向けながら、頭目はまた問いかける。 「あんたにひとつ聞きてぇんだがな。」 「なんだよ。」 「何故あの娘と逃げなかった? そんなに俺らの慰み者になりたかったかい?伊達の姫様?」 下卑た笑みを浮かべる男に、政宗は艶然と微笑んで返す。 「…逃げる?この俺が?笑わせてくれるぜ。…それとなァ。」 「あぁ?」 「…気安く姫様姫様って呼ぶんじゃねぇ。 俺をそう呼んでいい奴は…この世でただ一人だ!!」 次の瞬間。 頭目の首は下卑た笑みを浮かべたまま地面に転がった 。政宗の右手には、一振りの竜の爪が握られている。 血の滴るそれを鞘から抜き放つ瞬間を見た者は、 この中に一人として居なかった。 転がる首を見下ろしながら、政宗は冷たく微笑む。 「俺を誰だと思ってる? …俺は奥州筆頭…独眼竜・伊達政宗。 だから当然…」 鎧の下から滲み出るような気迫に、夥しい数の野盗達は身動きも出来ない。 「この地に生きる民百姓の為、 てめぇらみたいなクズをブッ殺すのもお仕事なのさ。」 いつの間にか中空に上っていた月の光を、 抜き放たれた6本の竜の爪が鋭く弾く。 その刹那、恐怖に背中を押された野盗の群れが政宗に襲い掛かる。 泣くような、笑うような声を上げながら。 「竜の膝元を汚した罪…地獄できっちり償いやがれ!!」 月光の中響き渡るその声は、 一人の少女のものではなく 紛れもなく一匹の竜の咆哮だった。 (つづく) おなごBASARA(小ネタ)
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薄暗闇の中をしばし歩いたその先で見た光景は、大体 政宗の想像したものと同じだった。 「いやッ!いやよぉ!!離して!!」 「暴れんじゃねえよ、このアマ!」 うす汚い姿の、いかにも野卑な数人の男に、まだ年若い娘が 組み敷かれて着物を脱がされようとしている。 多分この辺りの村娘だろう。 しきりに悲鳴を上げて抵抗するが、複数の男の力にかなう筈も無い。 娘の着物の裾に男の一人が手を掛けた瞬間、ゴッと鈍い音を立てて、 大人の拳骨程度の石が男の後頭部に直撃した。 「痛ぇぇぇ!!」 「…なんだぁ?てめえ」 「Ah?そりゃこっちの台詞だぜ。人の領地で何してやがる。」 ようやく政宗の存在に気付いた男達は、警戒心を剥き出しに 腰に下げた刀を掴んだ。 その中で、一人だけ我関せずと女の身体をまさぐってる男が居たので、 政宗は再度石を投げ付けてやった。 「ここはお前らみてぇな下衆の居ていい場所じゃねえ。消えな。」 そう不遜に言い放つが、素直に聞き入れる者など このならず者達の中にいる筈もない。 その声や体躯が男のものでは無いと分かるや、男達は警戒するのを止め、 代わりに好奇とからかいの眼で政宗を見た。 「女だてらに武者の真似事かい?嬢ちゃん。」 「なかなかソソるぜ」 ジロジロと無遠慮な視線を投掛けては、口々に下品な笑い声を立てる男達を 政宗はしばらく何の感慨も無く眺めていたが、やがて興味を失くしたように 視線を外すと、つかつかと倒れたままの娘のそばに歩み寄った。 身を縮めて震える娘を抱き起こし、優しく声を掛ける。 「Hey girl ひでぇ目に遭ったな…大丈夫かい?」 「…は…は、い。」 喉の奥から絞り出すようにしてようやく返事をする娘に、 安心させるように政宗は微笑み掛ける。 「家はどの辺りだ?送ってやるよ。」 「てめぇ…!」 自分達をすっかり無視して話を進める政宗の背後から、 男の一人が蒼い陣羽織に包まれた肩を力任せに掴んで 地面に引き倒そうと動いたが、 肩に触れる直前に政宗は僅かに身を捩ってそれを躱す。 そしてすかさず、力の行き場を失って前のめりになった男の鳩尾に、 固めた拳を叩き込んだ。 不様な呻き声を上げて地に倒れ込む仲間の姿に、それまでニヤニヤと 野卑な笑いを浮かべていた男達の表情が一変する。 鼠に噛まれた猫が、その鼠をなぶり殺そうと狙うような 明からさまな害意を一身に受けながら、政宗は口の端だけで不敵に笑う。 「OK…この娘の代わりに、俺が遊んでやるよ。」 笑みを形造る唇とは裏腹に、その一つだけの眼は冷たい怒りに燃えていた。 「昇天しな!Fuckin men!!」 一斉に襲い掛かる男達に向かって、政宗は放たれた矢のように疾った。 おなごBASARA 続②3
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「政宗様ッ!!」 「うわっ」 有無を言わさぬ勢いでがしりと両の肩口を掴まれ、 政宗は思わず困惑の声を上げる。 「怪我は有りませんか!?下郎共に無体な仕打ちを受けては居ねぇでしょうな?!」 「け、怪我はねぇし、Rapeもされてねぇ!だから落ち着け、小十郎」 「小十郎はいたって平静にござる!」 「どこがだよ!」 どう見ても平静ではない小十郎の険しい顔に、政宗は今更ながら 「やっちまった」と内心青冷めた。小十郎は日常的に小言を言ったり叱ったりするが、 本気で怒ったり取り乱したりする事など殆どない男だ。 …戦場で、政宗が命に関わるような無茶をした時以外は。 「…まぁ、今回の事は責めますまい。 民を無法者から救う為になさった事なれば。」 つい取り乱した自分をひそかに恥じるように 淡々とした小十郎の言葉に、政宗は問い返す。 「…そう言えばお前、どうしてその事知ってるんだ?」 「此処に来る迄の道で出会った、政宗様の馬に乗った娘から 事の子細を聞きました故。」 小十郎の応えに、政宗の表情が僅かに緊張する。 「あの娘はどうした?無事だったろうな?!」 「…ひどく泣いてはいましたが、怪我ひとつ無いようでしたし、 聞かれた事にもきちんと答えておりました。 家まで送りましたので、今頃は家族の元でしょう。」 「…そうか、そいつは良かった。」 小十郎の言葉に、政宗は心底ホッとしたように胸を撫で下ろす。 逃がしたはいいが、落馬したり他の野盗襲われたりはしていないか ひそかに心配だったらしい。 「それで、此処への到着が遅れました。」 「いや、Coolだぜ小十郎。…これで娘を放って俺の所に来たりしたら 許さねぇ所だった。」 政宗は、改めて周囲を見回した。地面に転がる無数の野盗共の死体は、 それでも政宗に襲い掛かって来た者の半数に過ぎない。 残り半数はあっと言う間に戦意を無くして何処かしらに逃げた。 もう、この近隣に近付こうとはしないだろう。 「ま、何にせよあの娘が無事で良かったぜ。 ならず者共の慰み物になるなんざ、あんまりに可哀相だからな。」 「…自分もそうなる所だったとは、思わないのですか。」 「Ah?」 何かを押し殺すように重い小十郎の声に、しかし政宗は深刻さを欠いた様子で応える。 小十郎が心配するような事態にはどう転んでもならないと、分かっていたからだった。 おなごBASARA 最終3
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政宗の脳裏に、亡き父の面影がよぎった。 病で容貌の崩れた自分を変わらずに愛し、励まし守ってくれた優しい父だった。 生き馬の目を抜くようなこの乱れた時代に将として生きるには、 あまりにも心が暖かすぎる父だった。 「…政宗様。あなたが女子としての幸せを見つけ、 それに生きられる事は輝宗様の… そしてこの小十郎を含む伊達家臣一同の願いでも有るのです。」 「………」 「いつか訪れるその時まで、 この小十郎があなたを命に替えてもお守りしましょう。 ですから、無駄な事などと悲しい事を仰られないで下され。」 小十郎の真摯な言葉に、政宗は何と言ったらよいのか分からず、困り果てた。 亡き父や小十郎、それに周囲の者達がそんな思いで居たなど、考えた事も無かった。 今まではただひたすら、「女だから」と甘く見られまいと、 戦を繰り返し領土を広げる事のみに力を尽くして来たというのに。 そして周囲もそれを望んでいるのだとばかり思っていたのに。 「…今更だぜ。 俺はただ守られるだけのお姫様になんかなりたくねぇ。 俺の望みは独眼竜として天下を奪う事。それだけだ。」 「無論、天下も取りましょうぞ。 さすれば縁談など今以上に選り取りみどりでしょうからな。」 「あのなぁ…」 何か言い表せない疲れを感じて、政宗はがっくりとうなだれる。 小十郎はそんな政宗の様子に苦笑する。 「…それに周囲の思惑は別として、 政宗様自身が認めるような男が現れた時、 嗜みがまるで身についていないが為に相手に振られるなど、 有ってはならない事はございませぬか。」 言外に滲み出る「だから稽古をさぼるな」という気迫に根負けして、 政宗は仕方なく腹を決めた。 「…OK、分かったよ。 流石にそんな屈辱は味わいたくねぇからな…もう稽古はさぼらねぇ。 だがな小十郎。」 「はい」 「もしそれで俺を嫁にしたいなんて奇特な男がOld Missになっても現れなかった場合、 お前責任取れるんだろうな?」 「無論の事。」 言われっ放しでは癪だと放った政宗の言葉に、 小十郎は何を今更、と言った風情で答える。 「いつも申し上げておりましょう。 その時はこの小十郎が貰って差し上げます。ご心配召されるな。」 あまりに当然のように発せられた言葉に、政宗はしばらくポカンと口を開いた。 「なっ!…お、お前、あれマジで言ってたのか?」 「小十郎はいつだってマジにございますが。」 おなごBASARA 最終7
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二人して帰路を辿る頃には、月はすっかり中空に差し掛かっていた。 政宗が小十郎の馬に乗り、小十郎は馬の横に立ち、その綱を引く。 そんな事をしなくとも、小十郎の馬は駿馬の産地として名高い奥州の中に有っても、 屈強さと疾さで名高い名馬だ。二人乗りして帰った方が早いのに、という政宗の言葉も 「なりませぬ。危険です。」と一蹴された。 「あーあ、今日はなんか疲れたぜ。」 「それはこちらの台詞です。」 「明日は、あの森を片付けねぇとな。忙しくなりそうだぜ。」 「そうですな。それに、生け花の先生にも日を改めて来て戴かなくては。」 小十郎の言葉に、馬上の政宗はずり落ちそうになった。 「…お前なぁ。まだそんな事言ってんのかよ。」 「無論の事。」 「いい加減無駄だろ。俺がそんな事するなんて…」 「何故、そう思われるのです。」 「何故って…」 政宗は5歳の頃天然痘で片目を失い、10歳になるやならずの時に父を失い、 当時まだ生まれたての赤子だった弟、小次郎がせめて元服するまでの間だけでもと、 家督を継がざるを得なくなった。 虎視眈々と領土を狙う近隣諸国に弱みを見せぬ為、伊達家存続の為の苦肉の策だった。 言うならば、政宗は十歳にして政敵に命を狙われ続ける事になり、 それよりももっと早くに、女としての幸せなど諦めずには居られなかったのだ。 だが、その事情を余さず知りながら、 幼い政宗に誰よりも厳しく己を守る術を叩き込みながらも、 小十郎は姫としての教養を身に付けるのを放棄する事を、政宗に許さなかった。 「俺を娶っても伊達領が手に入る訳じゃねえ。 なのに戦場で6本刀で暴れまくってた片目の女を嫁にしたがる男なんて、居る訳ねえ。 …無駄じゃねえか。」 「無駄では有りませぬ。」 「なんでそう言い切れる。」 「伊達領が無くとも独眼でも、政宗様が戦狂いの手に負えないじゃじゃ馬であろうとも、 それを全く気にせずあなたを愛する男が、必ず現れるからです。」 「…なっ」 さらりととんでも無い事を言ってのけられ、政宗は思わず言葉を失う。 小十郎はそんな政宗の様子に少しだけ困った笑みを浮かべ、 すぐにまた真剣な表情に戻る。 「先代…輝宗様は最期まで政宗様を案じておられました。 そして俺を含め、その場に居た家臣すべてに仰せられたのです。 『あの憐れな姫をいつか血塗られた戦の道から救い出し、 女としての幸せに生きられるよう、力を尽くしてくれ』 と…」 「………」 おなごBASARA 最終6